GX戦略地域とワット・ビット連携 — 国が進めるデータセンターの地方分散と系統の先行整備

ワット・ビット連携官民懇談会の取りまとめ、GX戦略地域「データセンター集積型」第1弾(9地域10地点)、地内系統の先行整備の枠組み。

最終更新: 2026-11-04

1. ワット・ビット連携とは

電力(ワット)と情報通信(ビット)のインフラを一体で整備する考え方です。総務省と経済産業省の「ワット・ビット連携官民懇談会」(2025年3月開始)が、2025年6月に「取りまとめ1.0」を公表しました。以下は第2回懇談会(2025-06-06)の配布資料(案)に基づきます【ワット・ビット】。

  • 足元の対応: ウェルカムゾーンマップの拡充などで情報公開を進め、系統に余力があって早く供給できるエリアへのデータセンター立地を促す。系統接続ルールを見直して、真に電力が必要な事業への迅速な供給を図る(p3)。
  • 費用負担: 需要の立地・申込みのたびに増強すると非効率になり、過大投資は需要家の負担増につながるおそれがある。需要家に一定の条件や費用負担を求めることを前提に、系統接続の円滑化を検討する(p4)。「投機的なDC事業者の立地を起因とする過剰な系統増強を抑制する観点」から、受益者負担の考え方で費用負担のあり方を検討する(p6)。
  • 集積拠点の要件: ①電力インフラの活用ポテンシャル、②地理的特性(通信の地中化・冗長性、地盤、十分な産業用地、交通、工業用水)、③既存の集積地(東京圏・大阪圏)からの分散(p8)。

2. GX戦略地域(データセンター集積型)

GX2040ビジョン(2025年2月閣議決定)に基づき2025年8月に作られた制度です。類型の一つが「データセンター集積型」で、今後10年程度でGW級のデータセンター集積地をつくることを目指します【GX認定】。

2026-09-11 に第1弾が認定されました。データセンター集積型は 9地域(10地点) です【GX認定】。

道県 市町
北海道 石狩市、苫小牧市
秋田県 秋田市
宮城県 富谷市
栃木県 矢板市
茨城県 常総市/つくば市
富山県 南砺市
香川県 綾川町/坂出市/丸亀市
福岡県 北九州市/直方市/鞍手町
鹿児島県 薩摩川内市

認定地域には、設備投資の後押し、電力系統の先行整備、規制・制度改革などで支援が行われます。計画の着実な推進や地域との共生の確保などが留保条件になっています。各地域の計画の概要は後日公表とされています【GX認定】。

3. 系統の先行整備

国の電力ネットワークの議論では、大規模需要のための地内系統を「今後10年程度を見据え」て先行的・計画的に整備する枠組みが示されています。送配電会社などが計画をつくり、国・広域機関が確認し、広域機関の貸付けの対象にします。GX戦略地域の「データセンター集積型」などに必要な設備には、運転開始前の貸付けの枠組みが新設されます【NW小委】p5〜12。

4. 用地選びとの関係

  • GX戦略地域やウェルカムゾーンマップは、公的に「受電しやすい場所」を示す情報です。
  • 一方で、認定地域の外でも、高圧規模であれば事前検討で地点ごとに受電の可否を確かめられます。

出典