データセンターの種類と立地の条件 — 公的資料から見る用地選びの観点

リテール型・ハイパースケール型・コンテナ型・エッジの違い、需要が伸びている理由、立地で重視される条件、用途地域と建築基準法上の扱い、補助制度。

最終更新: 2026-11-04

1. データセンターとは

コンピュータやデータ通信の装置の設置・運用に特化した建物です【都GL】p4。主な設備は、サーバー室、空調(冷却塔・チラー)、UPS(無停電電源装置)、非常用発電機と燃料タンク、監視室です【都GL】p5。

種類 内容 出典
リテール型 主に企業・自治体が使う中規模の施設 【都GL】p4
ハイパースケール型 主にクラウド事業者が使う大規模施設。区画・棟単位で貸す。主要IX(大手町・堂島)から35km圏内などを重視 【都GL】p4【有識者】p40
コンテナ型 コンテナにサーバー・電源・空調を収める。稼働時に無人で積み重ねない等の条件を満たせば建築物に当たらない 【消防庁】p3
エッジ(MEC) データの発生場所の近くで処理する。自動運転・遠隔医療など低遅延の用途 【有識者】p41

2. 需要が伸びている理由

  • 1か所あたりの規模は、2〜5MW(2000年頃)から、AI向けでは300MW〜1GW(2025年頃)まで大きくなっています【DBJ】p14。
  • 生成AI・機械学習の計算量は3〜4か月で2倍に増えています【DBJ】p5。
  • 国内のデータセンターのサーバールーム面積の8割強が関東・関西に集中し、首都圏の平均稼働率は約87%(2023年末)です【DBJ】p4〜5。国は地方分散を進めています。
  • データセンターの新増設による最大需要電力は、2034年度に616万kWと試算されています(広域機関の試算を【DBJ】p14が引用)。

3. 立地で重視される条件

観点 公的資料の記載 出典
電力 受電できる容量と時期。特別高圧なら各社のウェルカムゾーンマップ、高圧は事前検討で確認 供給マップ集、事前検討とは
災害リスク 自然災害リスクは重要な項目。地盤の強固な場所、広域災害で共倒れしない距離 【DBJ】p12, p17【有識者】p4
通信 通信回線を複数確保できること 【DBJ】p12
保守・アクセス 保守人材の確保とアクセスのしやすさ 【DBJ】p12〜13
水 冷却に工業用水などが使えること 【ワット・ビット】p8
広さ 国の集積拠点のイメージでは、将来の拡張を含めて10ha程度 【有識者】p4

4. 用途地域と建築基準法上の扱い

  • データセンターは「一般的に『事務所』として取り扱われるケースが多く、その場合には、住居専用の地域以外の用途地域で立地が可能」とされています。ただし施設の内容で規制が変わるため、特定行政庁への確認が必要です【都GL】p6。
  • UPSなどのリチウムイオン蓄電池の電解液は危険物(第二石油類)に当たり、用途地域ごとに貯蔵量の上限があります。特定行政庁の許可で上限を超えられる場合があります【国交省】p6。
  • 延べ面積50,000㎡を超える開発では、東京都は建築確認の300日前までに脱炭素化方針の提出を求めています【都GL】p7。

工業専用地域・工業地域などを選ぶ事業者が多いのは、貯蔵量の上限や騒音・排熱への配慮のためとみられますが、扱いは自治体ごとに確認してください。

5. 主な補助制度(2026-10-20 時点)

制度 内容 出典
総務省「データセンター、海底ケーブル等の地方分散によるデジタルインフラ強靱化事業」 東京圏・大阪圏以外でのデータセンター整備等を支援(補助率1/2など)。令和8年度は執行団体の公募を 2026-07-31〜08-21 に実施 【総務省】
環境省「データセンターのゼロエミッション化・地域共生加速化事業」 再エネの活用などによるゼロエミッション化・地域共生を支援。令和8年度の公募は 2026-06-04〜07-03(締切済み) 【環境省】
GX戦略地域(データセンター集積型) 認定地域に電力系統の先行整備などで支援 GX戦略地域とワット・ビット連携

公募の時期・要件は変わります。各省のページで最新の情報を確認してください。

出典

確認日はいずれも 2026-10-20。