データセンターが受電するまでの流れ — 需要側の系統接続の全体像

需要家・小売電気事業者・一般送配電事業者の関係と、事前検討から受電までの各段階。どの段階で容量が確保され、どこで費用が確定するか。

最終更新: 2026-11-04

データセンターに電気を引く手続きは、全国の一般送配電事業者(送配電会社)10社で骨格が共通です。このページでは、東京電力パワーグリッドの託送供給等約款(2026-10-01 実施版、以下【東電約款】)を代表例に、全体の流れを整理します。条番号・単価は会社ごとに違うので、個別の地点はエリア別ガイドで確認してください。

1. 登場するのは3者

立場 約款での呼び方 送配電会社との関係
需要家(データセンター事業者、土地所有者など) 需要者 送配電会社と直接の託送契約は結ばず、小売電気事業者と電気の購入契約を結ぶ
小売電気事業者 契約者 送配電会社と接続供給契約(託送供給契約)・工事費負担金契約を結ぶ
一般送配電事業者(10社) 当社 正当な理由がなければ託送供給を拒めない(電気事業法17条)。条件は国の認可を受けた託送供給等約款で定める(同18条)

ポイントは、接続供給契約を申し込むのは原則として小売電気事業者だという点です【東電約款】3(1), 9(4)。国の資料のフロー図でも、需要家は系統情報の確認と任意の事前検討を行い、契約申込みは小売電気事業者が行う形で描かれています【WG11】p10。

2. 手続きの段階

段階 内容 性格
① 事前検討(任意) 工事の要否と、必要な場合の工事の種類を検討してもらう。契約電力・供給電圧・負荷設備・開始希望日などを申込書に書く。原則2週間以内に回答 容量は確保されない。手数料の定めなし【東電約款】9(2)。詳しくは事前検討とは
② 契約申込み 接続供給兼基本契約申込書と図面一式、需要者の承諾書の写しを出す ここから容量の確保(連系予約)が始まる【WG10】p4
③ 技術検討 → 回答 供給ルート、工事内容、工期、工事費負担金 —
④ 供給承諾 託送供給契約が成立する 「事前検討は、系統連系を確約するものではありません。契約申込み後の供給承諾で系統連系が確定します」【広域機関】
⑤ 工事費負担金の契約・入金 → 工事 → 受電 → 精算 送配電会社の工事は負担金の入金後に始まる 特別高圧は承諾から3か月以内の入金が必要(2026-10-01 から)

需要側の手続きは「事前協議」「事前検討」と呼ばれます。「接続検討」(検討料22万円)は発電側の手続きの名前で、需要側とは別物です【東電約款】9(1)(2)。

3. 2026年10月から変わったこと(特別高圧の需要)

  • 供給承諾から3か月以内に工事費負担金を入金しないと、契約申込みが取り消されます。
  • 需要家の都合で、技術検討に影響する申込みの不備・内容変更があった場合も、申込みが取り消されます(軽微な変更は除く)。

いずれも国の次世代電力系統ワーキンググループでの整理を、各社が約款に反映したものです(2026-07-22 認可、2026-10-01 実施)【WG11】p15。高圧(2,000kW未満)はこの3か月ルールの対象外ですが、支払期日を過ぎても負担金を払わない場合に承諾を取り消す一般規定はあります【東電約款】51(4)。

30MW以上の大規模需要には、さらに容量開放・費用精算のルールが2027年4月の導入を目標に検討されています。→ 大規模需要の新しいルール

4. 次に読むページ

出典

確認日はいずれも 2026-10-01。